オーストラリアのニュース番組で、オーストラリアの国旗とニュージーランドの国旗を取り違える、というハプニングがありました。
オーストラリアの祝日 “Australia Day” に関するニュースの背景画面に、本来であれば、オーストラリアの国旗を使うべきところ、ニュージーランドの国旗を使っていた、というものです。
オーストラリアとニュージーランドの国旗は似ていて、どっちがどっち?と分からなくなる、オーストラリア国民やニュージーランド国民も結構いるようです。
オーストラリアとニュージーランドの国旗を比べてみました。
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オーストラリアとニュージーランドの国旗の違い:星の形と色、そして数

左がオーストラリアの国旗、右がニュージーランドの国旗です。
土台が青で、左上にイギリスのユニオンジャック、右側には南十字星、と両国とも、基本的なデザインは同じですね。
Commonwealth Star
大きな違いは、オーストラリア国旗の方は、ユニオンジャックの下に大きな星があること。
この星は、”Commonwealth Star”(連邦の星)と呼ばれるもので、7つの頂点を持っています。7つの頂点は、オーストラリア連邦の6つの州と特別地域を表しています。(参考:Department of the Prime Minister and Cabinet )
南十字星
南十字星は、南半球でしか見ることができない星座です。この星座を国旗にデザインすることで、国が南半球にある、ということを示しています。
オーストラリアの国旗とニュージーランドの国旗では、星の形や色、数が異なっていますね。
南十字星の星は5つとされており、オーストラリアの方は、これをそのまま旗にしています。
一方のニュージーランドのは、5つの星の中でも、輝きの強い主要な星4つを旗に採用したようです。
星の形も、オーストラリアとニュージーランドでは異なっていますね。
オーストラリアの星に7つの頂点があるのは、”Commonwealth Star” で述べた通りです。
ニュージーランドの方は、5つの頂点がある、一般的な星の形です。色は、白い縁取りがある赤。この色を選んだのは、左側にある、ユニオンジャックの色と合わせたためです。(参考:Ministry for Culture and Heritage )
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オーストラリアの国旗には、イギリスとの結びつき、南半球に位置しているという地理的なこと、そして、オーストラリアを構成している州と特別地域を表す要素がデザインされている、ということが分かりました。
オーストラリアとニュージーランドの国旗を見分けるには、白くて大きい星がある方がオーストラリア、赤い星はニュージーランド、と覚えておけば、簡単ですね。
オーストラリア先住民の旗
オーストラリアには、先住民の旗もあります。
オーストラリア先住民の旗は、2つとも著作権法で保護されているため、ここに掲載することはできません。こちらの NAIDOC (the National Aboriginal and Islander Day Observance Committee) で見られます。
アボリジニの旗
2000年のシドニーオリンピックで、陸上選手のキャシー フリーマンが、金メダルを獲得した際に、この旗とオーストラリア国旗を掲げたことで、広く知られるようになりました。
アボリジニの旗は、オーストラリア国内の多くの建物で掲揚されています。
トレス海峡諸島民の旗
もう1つの旗は、トレス海峡諸島民(Torres Strait Islanders)のものです。トレス海峡諸島民は、アボリジニとは異なる文化や歴史を持っています。
トレス海峡諸島は、オーストラリアとパプアニューギニアの間にある諸島で、クイーンズランド州に属しながらも、自治政府がある地域です。
ここに、木曜島(Thursday Island)という島があります。この島の周辺は、真珠貝の産地で、第二次世界大戦前までは、多くの日本人がこの島に住み、真珠貝採取に従事していたことで、知られています。
新しい国旗への動き
オーストラリアでも、ニュージーランドでも、国旗を新しくしよう、という動きがあります。
両国とも、旗に、イギリスのユニオンジャックが含まれています。もう、イギリスの植民地ではなく、独立した国家なのだから、ユニオンジャックがない、現状に合った国旗にすべきだ、という意見です。
ニュージーランドでは、2016年に国旗変更を問う国民投票が実施されました。投票の結果は、賛成 43.2%、反対 56.6% で(出典:Department of the Prime Minister and Cabinet)、現在のユニオンジャック入りの国旗を引き続き、使用することになりました。
オーストラリアでも、国旗のデザインを変更すべく、活動している団体があり、新しいデザインの候補を幾つかあげ、どのデザインが好ましいか、という調査をしています。
新デザイン促進派は、もうオーストラリアは、イギリスの植民地ではない、ということと、オーストラリアの先住民である、アボリジニの存在を考慮していない、ということを、デザインを変更すべき主な理由にあげています。
その一方、現首相のターンブル氏(2018年7月現在)は、オーストラリアの国旗が変わることはないだろう、という発言もしており、今後の行方が気になるところです。
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