不可算名詞にすると、意味が変わる可算名詞|「犬が好き」「オレンジの香りが好き」の言い方

dog




「犬が好き」「猫が好き」と伝えたいとき、どのように言っていますか。

Dog, cat のような、可算名詞を対象にして「~が好き」と言うときは、名詞を複数形にするのがルールです。

また、strawberry, rose も可算名詞として使われることが多い単語ですよね。「イチゴが好き」「バラが好き」と言うときは、名詞を複数形にします。

一方、「イチゴ味が好き」「バラの香りが好き」と言いたいときは、それぞれの単語を不可算名詞として用います。

基本的に可算名詞として使われる単語や、可算名詞と認識されている単語の中には、不可算名詞として使われるものもあります。

この記事では、前半で「犬が好き」の伝え方の例をあげます。そして後半では、不可算名詞にすると、意味が変わる可算名詞について、chicken という単語と、「~が好き」の言い方を例にあげて、整理していきます。

少し長めの記事なので、こちら( ↓ )をクリックして、ご興味のある項目へどうぞ。

 

 

「犬が好き」の言い方

「犬が好き」と言いたいときは、 I like dogs.dog を複数形にします。

I like dogs.

犬が好き。

可算名詞を複数形にすることで、「~というもの」という、その単語の総称を表すことができます。

Dog を複数形の dogs にすることで、「犬というもの」「犬全体」という意味になります。

猫や馬も同じです。

I like cats. 猫が好き。

I like horses. 馬が好き。

 

では、以下の文章は、それぞれどんな意味でしょうか。

  1. I like a dog.
  2. I like the dog.
  3. I like dog.

 

1. I like a dog.

「犬が好き」という意味では、I like a dog. とは言いません。

I like a dog. が使えるのは、I like a dog with short hair. (毛の短い犬が好き)、I like a dog with floppy ears.(垂れ耳の犬が好きのように、「こういうタイプの犬が好き」というときです。

 

2. I like the dog.

I like the dog. は「その犬が好き」です。目の前に犬が何匹かいて、その中の1匹を指して、「その犬が好き」というような状況で使います。

その場合は、I like the dog with the big brown spot on its side.(脇に大きな茶色いブチがある、その犬が好き)のように言います。

 

3. I like dog.

可算名詞を文章内で用いるときは、名詞の前に athe をつけるか、名詞を複数形にしますよね。

では、I like dog. は文法的に間違った文章でしょうか。Athe もなく、複数形でもありません。

I like dog. は、文法的に正しい文章です。Dog は可算名詞として用いられることがほとんどですが、不可算名詞としても使えます。

Dog, cat, chicken など、動物を意味する可算名詞は、不可算名詞としても使え、その場合は「その動物の肉」を意味します。

Chicken を例にして、みてみましょう。

 

 

ニワトリとしての chicken、鶏肉としての chicken

Chicken は、可算名詞としても不可算名詞としても使うことができます。可算名詞として用いたときと、不可算名詞として用いたときでは、意味が異なります。

 

可算名詞としての chicken

chickens

可算名詞の chicken は「ニワトリ」という意味です。可算名詞なので、one chicken, two chickens, three chickens と数えられます。

I have two chickens in the backyard.

裏庭でニワトリを2羽飼っている。

 

不可算名詞としての chicken

fried-chicken

一方、不可算名詞としての chicken は、「鶏肉」という意味になります。

I ate chicken last night.

昨夜、鶏肉を食べた。

 

Chicken を使うときのポイント

「鶏肉」という意味で chicken という単語を使うときは、不可算名詞なので、chicken の前に a をつけず、複数形にもしません。

Chicken の前に a をつけて I ate a chicken. と言うと、「ニワトリを1羽食べた」という意味になり、複数形にして、I ate chickens. と言うと、「ニワトリを数羽食べた」という意味になります。

 I ate a chicken. と I ate chicken. の違いは、日本語で「鶏肉を食べた」と言うべきときに「ニワトリを食べた」と、間違って言ってしまうようなものです。

なので、間違えたとしても意味は通じるでしょうが、日本語スピーカーにとって、あやふやになることもある冠詞が、英語にとっては重要だということが分かります。

 

 

「いちごが好き」と「いちご味が好き」

strawberry-ice-cream

動物を意味する単語が、可算名詞として使ったときと、不可算名詞として使ったときでは意味が変わるように、果物を意味する単語も、可算名詞と不可算名詞では、意味が変わってきます。

 

いちごが好き

「犬が好き」と言いたいときは、dog を複数形にして I like dogs. としたように、「いちごが好き」と言いたいときは、strawberry を複数形にして I like strawberries. とします。

I like strawberries.

いちごが好き。

 

いちご味/いちごの香りが好き

この strawberry を不可算名詞として用い、I like strawberry. とすると、「(アイスクリームやキャンディの)いちご味が好き」または、「いちごの香りが好き」という意味になります。

  • I like strawberries.(可算名詞)
     いちごが好き。

  • I like strawberry.(不可算名詞)
     いちご味が好き/いちごの香りが好き。

 

Strawberry だけではなく、orange, grapefruit なども同じです。可算名詞のときは、果物を意味し、不可算名詞のときは、その果物の香りや、アイスクリームやキャンディのフレーバーを意味します。

 

可算名詞と不可算名詞|使い分けの例文

可算名詞と不可算名詞は、以下の例文のように使い分けることができます。

可算名詞として

Annie: I’m gonna buy some fruits. What do you like?

Bryan: I like oranges. If oranges are not available, grapefruits are fine, too.

ーーーーーーーーーーーーーーー

アニー:果物、買ってこようと思ってるの。何がいい?

ブライアン:オレンジがいいな。オレンジがなかったら、グレープフルーツでもいいよ。

不可算名詞として

Annie: I’m gonna buy a room fragrance. What do you like?

Bryan: I like orange. If orange is not available, grapefruit is fine, too.

ーーーーーーーーーーーーーーー

アニー:ルームフレグランス、買ってこようと思ってるの。何の香りがいい?

ブライアン:オレンジがいいな。オレンジがなかったら、グレープフルーツでもいいよ。

 

 

「バラが好き」と「バラの香りが好き」

rose

花も果物と同様、可算名詞と不可算名詞では、「好き」の対象が異なります。

可算名詞として

I like roses.

バラが好き。

不可算名詞として

I like rose.

バラの香りが好き。

(または)

バラ色が好き。

 

 

まとめ

「犬が好き」の言い方と、可算名詞を対象とした「~が好き」の表現、そして、不可算名詞にすると意味が変わる可算名詞について整理しました。

「~が好き」           I like + 可算名詞の複数形

「~の香り・フレーバーが好き」  I like + 不可算名詞

「~を食べる」          I eat + 不可算名詞

▼可算名詞と不可算名詞のまとめは、こちら▼

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