下記の2つの文章の違いは、何でしょう?
He left for Paris.
2つ目の文章に前置詞の for が入っていますね。
For があることで、この2つの文章の意味が正反対になります。前置詞を1つ入れただけで、どうして正反対の意味になるのでしょう。
よく使う for の前置詞としての役割をいま一度確認しましょう。
また、He left for Paris. と He went to Paris. を通して、for と to の違いについても復習しましょう。
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前置詞「 for 」は「対象を求めて向かう」
For には、様々な用法がありますが、全ての用法の土台となる意味は、「対象を求めて向かう」です。
冒頭の例文をあげます。
Paris の前に for が入ることで Paris は、求められる対象=目的地となり、「パリへ向かった」と意味が変わりました。
目的地を示す for の例文です。
この電車は京都行きです。
これは長野行のバスですか。
それぞれ、京都、長野という目的地が示されていますね。
for と to の違い
前置詞 to も、「~に行く、向かう」と言いたいときに、よく使いますよね。
では、下記の2つの文章の違いは何でしょうか。
He went to Paris.
どちらの文章も、「彼がパリへ行ったこと」を伝えています。
For も to も、ある場所へ向かうことを表しますが、決定的な違いがあります。
For は、その方向へ向かうことのみを示し、到着したことまでは含みません。一方、to は、到着点そのものを示します。
よって、先の例文は次のようになります。
彼はパリへ向かった。(パリに着いたかどうかは示されていない)
He went to Paris.
彼はパリへ行った。(すでに到着した)
意味が変わりますね。
“I love you to the moon and back.” という表現を聞いたことはありますか。
「あなたのことが大好き」という意味の表現です。月に到着して、戻ってくるくらい、ということですね。For ではなく、to が使われています。
まとめ
For 対象を求めて向かう=目的地
目的地に着いたかどうかは含まれない
To 到着点そのものを示す
よく使う for、to のおさらいでした。
He left for Paris. 彼はパリへ向かった。