「許可する」という意味で使われる let、allow、permit。これら3つの単語の意味に大きな違いはありませんが、含まれるニュアンスは異なります。
また、let < allow < permit の順で、よりフォーマルになります。よって、状況に応じて、使う単語が変わります。
航空機のエコノミークラスの乗客が、ビジネスクラスのエリアに入ろうとしたところ、フライトアテンダントに止められる、という場面を想像してください。
Flight attendant: Excuse me, sir. You are not allowed to enter the business class area.
Passenger: But there is a big line for the economy class bathroom.
Flight attendant: Sorry, sir, you are not allowed to enter the business class area.
(乗客が席に戻って友だちに)
Passenger: I tried to use a business class bathroom, but they wouldn’t let me do it.
(機内アナウンス)
Attention all passengers, economy class passengers are not permitted to enter the business class area, thank you.
乗務員:お客様、ビジネスクラスへの立ち入りはご遠慮ください。
乗客: でも、エコノミークラスのトイレに、長い行列ができているんですよ。
乗務員:申し訳ございませんが、ビジネスクラスへの立ち入りは禁止されています。
(乗客が席に戻って友だちに)
乗客: ビジネスクラスのトイレを使おうとしたけど、乗務員が使わせてくれなかったよ。
(機内アナウンス)
お客様にご案内申し上げます。エコノミークラスのお客様のビジネスクラスへの立ち入りは禁止されています。
「ビジネスクラスエリアへ立ち入ることを許可しない」について、場面に応じて let、allow、permit が使い分けられています。
それぞれの使い方を例文で確認しましょう。
Let
「誰かが何かを許可する」というよりも、「本人がしたいことを自由にさせる」というニュアンスです。
最も口語的な単語で、日常的によく使います。
たくさんの記者がコメントを取ろうとして、外にいる。中に入れるなよ。
Let は、「私に~させて」という、依頼する文章でもよく使います。
私におごらせて。
ちょっと見せて。
Allow
Allow は、let よりもフォーマルです。また、let にはない「許可する」というニュアンスが入ります。
Allow は、受動態でもよく使います。
チェルシーの父親は、彼女が一人で旅行することを許さない。
美術館内は、写真撮影が禁止されています。
このアパートメントでは、小型犬のみ飼育を許可されています。
直接的な「許可する」という使い方以外にも、「時間が許す限り」「天候が許せば」という表現でも使います。
時間が許す限り、質問にお答えします。
天候が許せば、庭でお食事を召し上がることもできます。
Permit
Permit は3つの単語の中で、最も堅いもので、「許可する」という意味です。Allow と同様、受動態でもよく使われます。
地元の自治体は、その新しい建物の建設を許可した。
その政治家は国籍に問題があり、選挙への出馬が許可されなかった。
著作権法により、その画像の使用は許可されていない。
まとめ
Let、allow、permit の違いを整理しました。
この3つの単語の使い分けには、個人差があります。
例えば、ある人が allow を使う場面で、別の人が permit を使うこともあります。これは、allow と permit は、フォーマル度が多少違いますが、意味は変わらないためです。
また、let と allow を置きかえて使うことができます。
両親が外出させてくれない。
My parents don’t allow me to go out.
両親が外出を許可してくれない。
I’m not allowed to go out.
外出は認められていない。
Let と allow を以下のように使うこともできます。
mother: You are not allowed to play the game until you’ve finished your homework.
息子:ゲームさせて。
母親:宿題が終わるまで、ゲームは禁止。
Let
「本人がしたいことを自由にさせる」
3つの単語の中で最も口語的で、会話でもよく使われる
Let よりもフォーマルで、「許可する」のニュアンスが入る
受身形でもよく使われる
「許可する」
3つの単語の中で最もフォーマル
受身形でもよく使われる
「許可する」の反対「禁止する」の使い分けは、こちら ( ↓ )
Father: I’ll let you drive my new car if you promise to drive carefully.
息子:お父さんの新しい車、運転していい?
父親:安全運転を約束するなら、運転させるよ。