「禁止する」を意味する代表的な単語は、prohibit, ban, forbid ですね。
どの単語を使っても、文章の意味が大きく変わることはありませんが、それぞれにコアとなる使い方があります。
様々なサイトから例文を集めました。実際にどのように使われているか確認しましょう。
Prohibit
Prohibit が使われるのは、主に以下の場面です。
- 法律で禁止する
- 組織の権限で禁止する
法律で禁止する
まずは、国や州が禁止しているときの prohibit です。
Australian Institute of Family Studies の “Publication” セクションにある文章です。
New South Wales, South Australia, Tasmania and Victoria are the only states that have explicitly prohibited the use of corporal punishment in all schools.
「ニューサウスウェールズ州、サウスオーストラリア州、タスマニア州、そして、ビクトリア州のみが、全ての教育機関での体罰を明確に禁止してる。」
BBC のサイトに掲載されている、代理出産についての記事内の文章です。
The UK and Australia prohibit commercial surrogacy, …
「イギリスとオーストラリアは、商業的な代理出産を禁じている・・・」
組織の権限で禁止する
以下は、それぞれの組織の権威者が、その組織内での禁止行為について述べるとき、prohibit を使っているのが分かる例です。
シドニーにある Australian Museum の館内規則として、次のような文があります。
The following items are prohibited on Museum Premises:
「以下のものの持ち込みは禁止されています。」
ABC(オーストラリア放送協会)の記事内に、以下のような文がありました。オーストラリアの主要銀行のビットコインの扱いについて取り上げた記事です。
ANZ told the ABC that it “does not prohibit customers buying digital or cryptocurrencies, …
「ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)は、当行は『顧客のデジタル、あるいは、暗号通貨の購入を禁止していない・・・』と、ABCに語った。」
Australia Open のサイトに、「禁止事項」という見出しのページがありました。
Prohibited
「禁止事項」
このページには、禁止事項として、持ち込めないもののリスト、喫煙などがあげられています。
Ban
Ban が使われるのは、主に以下の場面です。
- それまで許可されていたものが、禁止になる
オーストラリアの日刊紙 The Australian に掲載されている記事の見出しです。
Climbing Uluru banned
「ウルルへの登山が禁止に」
Uluru は、エアーズロックの正式名称です。現在、観光客に許可されているウルル登山は、2019年10月以降、禁止されます。アボリジニは、自分たちとっての聖地であるウルルへの登山禁止を長年求めていました。
オーストラリアの日刊紙 The Age のサイトに掲載されている記事です。
Smoking will be banned from nearly all outdoor dining areas in Melbourne, and the entire state, from August 1.
「8月1日より、メルボルンと州全域の、屋外の食事をするスペースほぼ全てにおいて、喫煙が禁止される。」
SBS(オーストラリアの公営放送局)のサイトにあった文章です。スーパーのビニール袋についての記事です。
NSW is the only state that hasn’t pledged to introduce a ban or tax on single-use plastic bags.
「ニューサウスウェールズ州は、使い捨てのビニール袋を禁止する法律の導入、あるいは、課税を公約にあげていない唯一の州だ。」
これらの文章から、今までは許可されていたものが禁止されることになる、というときに ban を使っているのが分かりますね。
Forbid
Forbid は、3つの単語の中で、最も日常的に使われます。
- 「禁止する」という意味では、最も一般的に使われる単語
- Prohibit や ban の代わりとしても、使われます
- 親が子供に何かを禁じるようなときは、この単語がよく使われます
Prohibit や ban の代わりとして使われている例を3つ、あげます。
BBC のサイトのスポーツセクションにあった文章です。
But Premier League rules forbid clubs using two stadiums as home grounds, …
「だが、プレミアリーグの規則は、クラブが2つのスタジアムをホームグラウンドとすることを禁じている・・・」
「組織の権限で禁止する」ときに使われる prohibit の代わりに、forbid が用いられていますね。
イギリスの新聞 The telegraph のサイトに掲載されている、フランスにおけるスマートフォン禁止の記事内の文章です。
Phones are already forbidden in French classrooms …
「フランスの学校の教室内では、スマートフォンはすでに禁止されている・・・」
この文章でも、prohibit または ban の代わりに、forbid が使われています。
アメリカの日刊紙 The Seattle Times にあった記事です。
Lawmakers in Rhode Island passed legislation that will forbid advertising unhealthy foods and drinks on school property.
「ロードアイランド州の議会は、学校の敷地内での、体に害をあたえる食品や飲料の広告を禁じる法案を可決した。」
こちらの記事の見出しは、以下です。記事の本文である、上の文章では forbid が使われていますが、見出しには ban が使われていました。
Lawmakers pass bill to ban advertising unhealthy foods
「議会、不健康な食品の広告を禁止する法案を可決」
まとめ
法律で禁止する、組織の権限で禁止する
それまで許可されていたものが、禁止になる
- 「禁止する」という意味では、最も一般的に使われる単語
- Prohibit や ban の代わりとしても、使われる
- 親が子供に何かを禁じるようなときは、この単語がよく使われる
以上、「禁止する」の prohibit, ban, forbid の使い分けについてでした。
日本人が間違えやすい「以上」「以下」の表現は、こちら。
分数、面積、体積、英語で言えますか。